2017年4月7日金曜日

「野球部の教科書」という方法

新年度を迎えて、転勤したある先生からLINEがきた。「先生、野球部の教科書を送ってもらえませんか」。親しいその先生が今年転勤し、骨のある子たちと向き合っていくことになるとのこと。そこで、僕の教科書を使いたいと思ったらしい。すぐにデータを送った。とてもうれしい話。
このグループのメンバーのみなさんにはおなじみの「野球部の教科書」が活躍できる時期が来た。顧問がいつも言いがちなフレーズに価値付けをした小冊子。部活動編成時に生徒に配布している。去年はわけあって配らなかったが、毎年これを指針にして部活動をしている。拙著でも触れたが、口で言うだけではなかなか考えていることは浸透しないし、何より顧問が「なぜそういうことを生徒に言うのか」ということを考える機会がない。その反省を反映させた僕の指導バイブル。
たとえばこんなふうに綴っている。
(引用開始)
「大きな声であいさつをしよう」
(なぜ?)
 野球というスポーツは体格や体力などの身体的な能力と、瞬間の判断や相手の動きを予測するなどの頭脳的な能力が必要です。
 しかし、それらには限界があります。実は他にも我々に備わっている武器 があります。「声」です。野球は声でプレーをコントロールできるスポーツ です。大きな声があれば、先の2つの能力をカバーできる可能性があります。
 しかし、これもきたえないと自分の思い通りにはなりません。ファインプ レーやホームランは難しくても、ボールを呼び続けることはできます。不安 なときに、「大丈夫や!」と声を出せるとリラックスできるかもしれません。
 あいさつは、その「声」をきたえるとても良いチャンスです。小さな声で あいさつをしていては、せっかく良いことをしているのに相手には伝わりま せん。野球は大きな球場で自分の考えや相手に指示を伝えないといけません。
 大きな声で良いことをする。これを一生懸命できるだけで、連続ホームラ ンより価値のある働きができると信じてください。声も、出す練習をしない と大きくなりません。ある日突然できるようになる、ということはないので す。恥ずかしがらず、大きな声を出しましょう。
(引用終わり)
項目ごとに「なぜ?」と問い立てをして、それに答えていく。これを繰り返していくなかで「この先生はこういうふうなことを言いたいのか。」と生徒に伝える。生徒だけでなく保護者にも伝える。こういう役割を担うのが「野球部の教科書」。いずれこれを増補して、ちゃんとまとめて発信したい。これも自分の考えを伝える1つの方法だと思う。
* もし興味のある方はご連絡ください。

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