ちょっと昔、修学旅行委員長に推した生徒がいた。引っ込み思案、でも、力がある。彼はやりたそうだったので、僕が推した。八面六臂、気配りや決断力があった。その彼をレクレーション大会のあと、みんなでサプライズで感謝の言葉を伝えようと企画した。みんなが彼の姿を見てそうしたいと。レク大会は大成功で、みんなほっこりした。サプライズも大成功。彼は大泣き。僕も泣けた。この仕事の、中学校の先生の仕事の良さを実感した。
就寝の点呼に回ったとき、部屋の子が「あいつずっと泣いているんです」と教えてくれた。泣けた。僕の教師としての修学旅行デビュー戦。最高の時間だった。(次の朝、見事に杉本は寝坊して学年主任の先生に怒られるのですが…笑)
今回、高校教師として修学旅行に引率した。僕は担任もないし、写真を撮ったり、主任、副主任、担任の先生方をお手伝いする役目。要領がわからないから、周りを見渡して教えてもらいながら。やっぱり、高校生の修学旅行は違った。
「苦労話合戦」の中学校の修学旅行の引率とは違って、高校生の良さを堪能できた。授業に行っていないクラスのバスに乗り、ついでに誕生日だった自分を祝福してくれた。みんなが楽しめた行事。写真の整理をしていても、良い表情だった。
ここで小休止。思考の整理をしたい。
時間を経るごとに「中学校より」「中学では」と比較している自分がいる。政治家やプロアスリートでもそうだけど、離れると途端に饒舌になる。利害がなくなるからか、割と気軽に批判めいたことも言える。実態を赤裸々に。いとも簡単にそんなことができる。当事者の苦しみを知っているくせに、それを批判、非難めいた論調で声高々に主張し、これみよがしに持論を展開する。他でそんな人がいれば辟易するのに、自分もそんなことをしている。
当事者が語れないことを笑うな。その場で咲け。
少しく経験がある者や聞きかじった人ほど言いたがる。僕も僕で、自分の経験なんか何の積み上げもないのにわかったことを言いたがる。OSの見直しを大いに感じた。
「どうせつまらないだろう」と思った最終日の水族館がすごくよかった。どこに行っても生徒は楽しめる。去年コロナで青春をめちゃくちゃにされたクラスの子たちが、修学旅行で見せたあの姿。評論家でなくプレーヤーでいること。
良い時間でした。
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