2018年4月21日土曜日

「20人になりました。でもやはり3年生に」

6人で活動してきた我が野球部に、新入部員が加入した。合計で20人。一気に大所帯に。練習にも活気が戻った。
1年生の様子を見ていると、捕ったり投げたりだけ見ると「お、いいかも」と思う生徒もいるが、トータルで見るとやはり3年生にはかなわない。
どうでしょう、この時期3年生や2年生の育成が思わしくなく、つい最近までランドセルを背負っていた一年生をやたらと褒めていませんか。
この時期、浸透の度合いから1年生ばかり重用し、上級生を邪険にすると思わぬ歪みになる。この時期こそ、今まで一緒にやっていた子たちを先輩扱いして、1年生の前で3年生たちがどういう時間を過ごしてきたかを話す。しんどい時期を一緒に乗り越えてきたんだ、ということを1年生に伝えきり、野球の場面だけで君たちと付き合っているのではないということを言い切る。技術の巧拙で人間関係を構築しようとする誤った感覚を一蹴し、学校の部活動のあり方をしっかり伝えた。
今日、4月はじめての休日の練習で1年生が3人遅刻。野球ノートも書いていない。3年生は全員遅刻なし、ノートも当然提出。こういうことが3年間の蓄積だと思う。大会で勝つこと「だけ」に注目している外野の視線をヨソに、日々は続いていく。僕らはそこ「だけ」見ているのではない。大げさに言えば、それは最後の最後でいいと言い切っても良いくらいだ。
この日常に右往左往しながら、日々の活動にあたっているごく普通の顧問の先生たちがほとんど。上澄みだけを掬い取って「これこそ青春」と言わんばかりに、大会の成績や優秀な選手にだけスポットがあたる現状に違和感というか、嫌悪感さえ抱く。それはあってもいいが、そうじゃないところの多くの学校の日常の指導に関心が向いてこそ、部活動の今日的な意味が見出されていくと感じる。
20人。20通りのドラマの伴奏者。日本一、地区大会突破、大会で一勝。そんなことどうでもいい。子どもいっしょにいる大人が本当に子どものために存在しているのかということに、関係者は真摯に向き合っていかねばならないと思う。

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