2016年11月23日水曜日

「ブロック選抜大会」〜盛況の観客席を見ながら〜


今日は有志の大会、ブロック選抜大会。各ブロックの大会を経て、有望な選手を集めての大会。いわばオールスター。高校の関係者も見に来られるおもしろいイベント。良い選手が多く、見どころの多い初日だった。ヒット性の当たりをアウトにしたり、快速球で三振の山を築いたり。フェンスオーバーや直撃の当たりも何本も見られた。僕は1つめの試合の2塁塁審。接戦だったので緊張感のある試合。良いゲームだった。審判をするのにも緊張。たくさんの先生方や保護者が見ているなかのゲーム。いろいろ勉強になった。
ウチのチームからはバッテリーが選出され、2試合目の先発出場を果たした。近年、試合の主要な場面での出場がなかったウチの子たちが、今日は先発出場。しかもバッテリー。今年のバッテリーは荒削りだけどおもしろい二人。思うようにいかない展開に失点もあったけど、試合後は清々しかった。監督の先生も誉めてくださり、こういう機会を与えていただいたこと、与えてやれたことにとても満足した。
自チームの生徒を謙遜からか、なかなか誉めない人もいる。このタイプの先生のほうがきっと多い。僕は、最近こういうのには素直に応じる。今年の二人もいろんな先生に誉めていただいた。今年は本当にしっかりしたバッテリーだと思う。チームとしては課題が多いので勝ちきれない。この二人にも当然課題はある。こういう課題を直視して向き合う機会になれば。今回の大会はそう思って臨んでいる。チームにそれを持ち帰って研鑽し、自チームに還元して冬を越える。いろんな意味合いがある大会。
観客席は大盛況だった。保護者や歓声をあげ、ベンチが沸く。部活動の処遇をめぐって議論がやまないが、こういう場面を見るとやっぱりいいなと思う。自分のチームの子が出られないときに、ふと、自分の子どもが出番を待つのを見守る保護者の気持ちになった。いつ出られるのかな、活躍するかな。僕はこういう子たちを指導する立場にある。こういう感覚を大切にしないといけない。生徒を邪険に扱い、プレーの拙さに猛烈に怒(いか)る。勝つためには必要な要素なのかもしれないが、楽しそうにプレーをする今日の姿は指導者の反省の材料にしなくてはならないと切に感じる。ウチのブロックの監督やスタッフの先生がいみじくも言っていた「やらされている声なのか、自分からの声か」ということ。ブロック屈指の選手たちを集めても、指導していく言葉は普段かけているそれと違わない。おそらく部活動指導の根本はこういうところなのだと思う。「野球で教える」つもりが「野球を教える」指導になり、いつか関わる僕らも「野球が教える」部分を忘れてしまっている。育てたように育つのが生徒。地道な1ページずつの積み重ねでしか成長はきっとないのだと思う。
「楽しかったです」「悔しかったです」とウチの二人が今日の感想を話していた。野球が楽しいという感覚を、もっと普段の活動の場面に感じてほしい。感じさせるのは僕たち。寒風のなか、詰めかけた生徒の保護者や関係者の気持ちを少しでも感じて生徒に向き合いたい。

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