Facebookのタイムラインに興味深い投稿がありました。違反行為に対するペナルティがどうもブレているのではないか、という疑義でした。
部によって実に様々なルールがあります。これを破ってしまったら、ある程度のペナルティもやむなし。そういう感覚が一般的ではないでしょうか。ひと昔前なら厳罰で取り締まる、という方法が主流だったかもしれません。でも、こういう時代なので、教育的に効果の認められないものは一切排除される向きがあります。信頼関係があっても、言い渡すほうはつらいものです。
よくあるトラブルに「あいつが良くてなんで俺があかんねん」というような、ブレていると捉えられるケース。学校で何か生活指導上で失敗した子がいて、その生徒の処遇を検討していくときに、微妙な判断に迫られるケースがあります。この間はこれで運用できたけど、今回はどうもそこに落とし所として持っていけそうにない。僕も何度か経験したことがあります。どれだけ説明しても、結局「学校の論理」(悪く言えば屁理屈)になってしまうのです。学校側の感覚ももちろんその正当性を議論されるべきと思います。そもそも、何が正当なのか、こじれるともうわからなくなってくることも。
前任校では今思うと厳しすぎたな、と思うこともやっていました。今はその反省もあり、ゆるく感じられることもあるように思います。でも、何度も失敗して、その都度反省させ、またチャンスをあげて、そこでうまくいったらほめる。プレーの失敗は失敗ではありません。生活上の失敗がきちんとクリアできたのなら、ペナルティも教育的な効果をもつことになります。それが一時的ながら厳しいものであれば、保護者との相談。今はこうしています、という途中経過も大切です。昔は、ここらへんが今思えば忍耐強く、語弊を恐れず言うなら寛容でした。少々きつくやっても「そんなもんや」で済んだ。済んだというか、それでよかったのでしょう。
学校がスポーツの指導をする以上、教育行為である必要が絶対的にあります。もちろん外部のスポーツチームにも必要です。ただ、我々は「学校の先生」という立場でやっているので、より外からは厳しく見られ、場合によったら気にしすぎてて失敗することもあるのかなと思います。
やはり大切なのは、生徒自身が平等なものだと捉えられ、反省につながるもの。厳罰は結局恐怖で抑止力を働かすことになるので、もう時代の要請ではありません。
学校の生活をしっかり全うさせる、というのが、僕は何よりも生徒を成長させるものだと考えています。苦手な勉強を6時間しっかりやる。係の仕事も。友だちとの不必要なトラブルは起こさない。全うするって大人でも難しいもの。だからこそ、あるときには目をつむっているフリをして泳がせたり、端から見れば小さなことでも厳しく叱ったり、そういうサジ加減が大切です。
自分の偏見も多分にありますが、どうも野球界は生活上の失敗に厳しすぎるような気がします。子どもは失敗するもの。次の失敗をさせないための大人の働きかけが単なるペナルティに終わってしまわないことが、僕ら指導者が心がけておくべきことではないでしょうか。
(補足:保護者のご協力とご理解が不可欠なのは言うまでもありません。僕もたくさん失敗して迷惑をかけてきました。ブレるというのは修正すべき点なのかもしれません。修正する勇気と、時には頭を下げる誠実さも必要だと思います。)
2015年11月17日火曜日
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